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ろーどちゅうなの~

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1-03-10「我ら特変!」

あらすじ

「俺がお前らを配慮する余裕は無いってことだろうな」真理合宿3日目を迎えた特変。合宿の集大成の時間に、彼らは同級生たちへどんなことを話すのか? 次回でラストなシーズン1の22節。

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H30.4.27

Face_midori

【翠】

はーい、これで一クラスを除いて、皆発表が終わったワケね~

 真理合宿3日目。

 昼食後、三日間を締めくくる最後のイベントを迎えていた。

Face_midori

【翠】

云い換えれば、前座が終わったワケね~

Face_unknown

【生徒】

「「「イラッ」」」

Face_midori

【翠】

さあさあ、トリを務めますは~、勿論この子たちー!

Face_midori

【翠】

特変自己紹介、どーぞー☆

Face_hage

【謙一】

できるかあぁあああああああああああああ!!!!!

 クラス毎に、これまでのアクションの結果導いたものを全体で発表する時間。 学校側は最も大事なイベントとも解釈する時間、トリに回された特変の代表井澤謙一は取りあえず叫んだ。

Face_hage

【謙一】

何で毎度毎度煽るんですかアンタは!! やりにくいって云ってるでしょ!!

Face_midori

【翠】

別に煽ってるつもりないのよ~、事実を呟いてるだけで~

Face_unknown

【生徒】

「「「イラッ」」」

Face_hage

【謙一】

そして益々学園長同様に俺らに怨嗟の目が向けられるわけだ……

 ホントこの人は俺らを大悪党に仕立て上げたいらしいな……

Face_midori

【翠】

というかもう始まってるわよ~発表時間。ほらほら頑張って~

Face_hage

【謙一】

最悪だよホント……俺らこそ前座であるべきだったよ……

 そう呟く理由はちゃんとある。 なぜなら各々クラスは、前日の10時半から19時くらいにかけて、発表準備をする時間を持てた。学園長の気まぐれで冨士を歩くことにもなったが、その傍ら、またはそれを終わらせた後にもクラスアクションなる時間が充分あったらしい。 つまり、一般クラスはしっかり準備できたってことだ。

 一方俺らは……というか俺と志穂と美甘がとんでもないアクシデントに遭ったことでそんな時間は全く無かった。 今日の午前にも一応発表準備の時間は用意されていたわけだが、ぶっちゃけ他のクラスみたいに凝ったものは何も用意できなかったのだ。 俺だって作曲とかしたかったさ! 踊りたかったさ! 時間があったならな!!

Face_hage

【謙一】

ってことで、俺ら普通に自己紹介しまーーーす!!!!!

Face_yukina

【雪南】

えーーー……

Face_midori

【翠】

えーーー……

Face_hage

【謙一】

期待してくれてた少数の諸君を裏切るようで大変心苦しいが、文句のある奴は特変権限のもと処す

 取りあえず場の空気が落ち着いた。

Face_mikan

【美甘】

お前、かなりあくどい権力横暴かましてるぞ……

Face_hage

【謙一】

正直感覚麻痺してきたかもしれない。暴走しそうだったら止めてくれ美甘

Face_mikan

【美甘】

まあ、分かったけど

Face_yukina

【雪南】

って待て待て待て待て!!!?

 9人ともピンマイク装着して準備万端な会話で再び場がどよめく。

Face_mera

【目羅】

……………………

Face_unknown

【生徒】

お、おい……どうなってんだ――

Face_unknown

【生徒】

あの、堀田美甘が、普通に喋ってる!?

Face_unknown

【生徒】

ちょ、初めて聴いたんだけど声! 全然普通の女子の声じゃん! 誰だよ野太いとか云ってた奴!

Face_mikan

【美甘】

ホントだよ、誰だよその噂流した奴出てこいよ!

 少なからず美甘はその噂にショックを受けていた。

Face_midori

【翠】

ふふっ……どうやら、美甘ちゃんを無事堕としたみたいね謙一くん

Face_keiji

【啓史】

まさか本当に達成するとは……やれやれ、恐ろしい生徒が入ってきたもんだなぁ

Face_keiji

【啓史】

でもお願いだから昨日みたいなのは止めてねマジ。胃に穴が空くかと思ったんだから

Face_hage

【謙一】

俺だって二度はごめんですよ

Face_saya

【沙綾】

リーダー、発表押してるわよー

Face_hage

【謙一】

おっと……

 沙綾のお陰で最小限の脱線で戻って来れた。

 ホント、俺よりずっと沙綾の方が管理職向いてるって絶対――

Face_saya

【沙綾】

……………………

 何か感じたらしい沙綾が現管理職をガン見していた。

 謙一は取りあえず渾身の土下座を披露した。

Face_akitsu

【秋都】

えっ、け、井澤くん……!? どうしていきなり土下座してるの!?

Face_yukina

【雪南】

彼は今だってクラスメイトと格闘中なんだよきっと

Face_shiho

【志穂】

おら早く進行しろハゲ

Face_hage

【謙一】

ハゲてねえ。んじゃ、だいぶタイムロスしたけど一人ずつ紹介しまーす……

Face_hage

【謙一】

堀田美甘!!!!!

Face_mikan

【美甘】

何でウチがトップバッターなんだ……!

 何年ぶりかに人と話したばっかの美甘は、いきなり数百人の前で自己紹介することに。

 緊張はしていないようだが、抵抗が無いわけではなかった。

Face_mikan

【美甘】

……………………

Face_shiho

【志穂】

美甘。大丈夫

Face_shiho

【志穂】

何を云ったって、何をかましたって、権力で全部百点満点に書き換える

Face_mikan

【美甘】

いやソレはしなくていい……

Face_mikan

【美甘】

でも、ありがと……ちょっとだけ

Face_mikan

【美甘】

踏ん切りが、つくよ

Face_hage

【謙一】

因みにこの会話もぜーんぶ拾ってますマイク

Face_mikan

【美甘】

…………////////

Face_unknown

【生徒】

…………

 普通に赤面する少女に一部の同級生の心がERECTION!!! した。

Face_mikan

【美甘】

こほん……堀田美甘、だ

Face_mikan

【美甘】

ウチは、えっと……特変の、筋肉、担当らしい……その理由は、ウチを知ってる人なら簡単に理解できると、思う

Face_mikan

【美甘】

運動が、得意だ。勉強は、苦手だ、てんでダメだ

Face_mikan

【美甘】

好きな食べ物は……肉。脂っこいほど、好きだ。果物は嫌いっていうか、苦手だ

Face_mikan

【美甘】

……こんな、もんかな自己紹介って

Face_saya

【沙綾】

フツー過ぎるでしょ美甘~

Face_joe

【情】

つまらん

Face_nono

【乃乃】

ここはやっぱり美甘さんの括約筋のパワーを実演しましょう(←リコーダーを手に取りながら)

Face_mikan

【美甘】

んなこと云われても、ウチはお前らみたいなトチ狂った思考回路してないから浮かばないよ(←リコーダー折りながら)

Face_hage

【謙一】

常識人枠が増えてくれて俺ホント感激だわ。机の上で腹筋するのが玉に瑕だが

Face_mikan

【美甘】

そうか……筋トレでもすれば紹介になるかな

Face_mikan

【美甘】

フンッフンッフンッフンッフンッフンッ――!!!(←堂に入ったスクワット)

Face_fui

【譜已】

…………

 常識って、何だったっけ……

 堀田美甘のスタートダッシュで心構えを蹴散らされた視聴者たち。

 そこに一気に畳みかける采配。

Face_hage

【謙一】

衒火情!!

Face_joe

【情】

好きなものも嫌いなものもその時決める。つまり答えは用意できねえ

Face_joe

【情】

文句があるなら前に出てきやがれ。直接俺を矯正してみろ。力も意思も無い奴が、俺の足を止められると思うなよ。逆に、有るってんなら相手してやる

Face_joe

【情】

俺はテメエらに微塵も興味ねえが、どんだけ醜かろうが来るなら視界には入れてやる

Face_joe

【情】

そして、塵となり死んでいけ

Face_hage

【謙一】

呆れ返るくらい最高にイカした発言だけど何で俺たちの方見てるのお前?

Face_joe

【情】

最高頻度で視界に入る奴らにまず云うべきことだろうが

 俺らに自己紹介されても困るんだよなぁ……

 そして相変わらず味方と呼びにくいことこの上ないポジションにいらっしゃる。

 だが視界に入れずとも衒火情の覇気は講堂内の全員を呑み込んでいた。

 彼まで自己紹介の流れに従ったという事態に唖然とするしかない視聴者たちはしかし、依然衒火情は自分たちが認識してきたその姿で変わらず存在している……つまり圧倒的な危険であることを認識したのだった。

 よしっ……美甘と情で取りあえずインパクトは勝ち取ってる! このままごり押して、うっすい発表内容を誤魔化す!!

Face_hage

【謙一】

遠嶋沙綾!!!

Face_saya

【沙綾】

めんどくさーーーーーーーーーーーーい

 ネットサーフィンの手を止めない沙綾の姿で謙一の計画が乱れ始めた。

 おぃいいいいいいいいいいいいいいいい……!!!!

 井澤謙一全力の視線が不愉快だったのか、ネサフィの手は緩めず喋り始める沙綾。

Face_saya

【沙綾】

遠嶋沙綾ー趣味はかーくん~

Face_saya

【沙綾】

好きなものかーくん嫌いなもの音々~

Face_saya

【沙綾】

特技もかーくん~苦手なのは音々~

Face_saya

【沙綾】

座右の銘かーくん~……これでいーでしょー?

Face_hage

【謙一】

かーくんの概念像がどうしてもハッキリしてこないんだ

Face_hage

【謙一】

取りあえず人間だと俺は予想してるんだが、当たってるなら早くコイツを処理してくれかーくん……

 遠嶋沙綾安定の自己中っぷりに視聴者陣も平静を取り戻し始める。

 いや何で落ち着く!? どんだけいつも通りなんだよコイツの現代っ子ぶり!!

 くっそ、スベってる雰囲気になる前に、この熱をまた上昇させないと……!

 秘密兵器投入だ!!

Face_hage

【謙一】

いけえぇえええ佐伯乃乃おぉおおおお!!!

Face_nono

【乃乃】

人は、いわば一つの楽器です

Face_nono

【乃乃】

様々な音を鳴らすことのできるなかなかに多機能な楽器です。例えば……

Face_nono

【乃乃】

発声は勿論のこと、手を叩く、足踏みする、指パッチン、歯ぎしり、屁こきなどなど

Face_mikan

【美甘】

屁こき……

 屁こき……。

Face_nono

【乃乃】

しかし私はそれらの音に興味あまりありません。それよりも……自発的な音に、惹かれるのです

Face_nono

【乃乃】

ここでの自発というのは積極的な姿勢ではなく、人為を除いた自然的な様を意味しています、すなわち――

Face_nono

【乃乃】

一本の弦で、他人を弾くのです……(←左手の親指と人差し指で輪っかを作りながら)

Face_nono

【乃乃】

その時、発せられる声なり振動なりは、まるで人為超越した、神秘の音のよう……!(←右手にボールペン装備)

Face_nono

【乃乃】

大丈夫、痛くはしません、私はプロですから。ですからどうか、皆さん貴方のお尻を――

Face_nono

【乃乃】

貴方のをお貸しください!!!(←ボールペンを輪っかに抜き差ししながら)

Face_unknown

【生徒】

「「「うわぁ……」」」

 佐伯乃乃いつも通りの全力投球に場は更に静まりかえる。

 しまったあぁあああああああああああああ順番間違えたあぁああああ……!!!!!

 いや、でもコイツの場合どこで札切ってもドン引きエンドだな……因みに俺もドン引きしている。

Face_nono

【乃乃】

すみません謙一さん、あまり反応ゲットできませんでした……(←落ち込み)

Face_hage

【謙一】

寧ろ拍手とか来たら俺この学園の不信感50パーセントアップだわ

Face_hage

【謙一】

そんなワケで切り返せ、二邑牙奏! 銘乃譜已!

Face_so

【奏】

この流れで後輩コンビを投入!!? 鬼畜過ぎるでしょパイセーン!!!

Face_fui

【譜已】

め、銘乃譜已、です……その、母がいつも、お世話になってます……

Face_midori

【翠】

お世話になってまーす♪

Face_midori

【翠】

折角だから譜已ちゃんはお母さん直々に紹介してあげるわー♪ スリーサイズは――

Face_fui

【譜已】

お か あ さ ん ?

Face_midori

【翠】

ごめんなさい調子乗っちゃいました引っ込んでま~す……

Face_unknown

【生徒】

「「「(すげえぇええええええええええええええええええええ!!!!)」」」

 この日の夜に銘乃譜已最強説が学園の2chで誕生するのだった。

Face_so

【奏】

そんな可愛い譜已ちゃんの親☆友! 二邑牙奏でーす! この前はどーもどーも!!

Face_so

【奏】

今年も変わらずパイセン方と同級生だけど、歓迎祭を考えたら全然大丈夫そーだよねー!

Face_so

【奏】

譜已ちゃんの手を煩わせるまでもなく、私がぜーんぶ特変破りも片付けてあげる! よろしくー!!

 なかなかの煽りだった。

 しかし「よろしくー!!」と決めるまでに彼女は3回ほど躓いて地面にダイブしていた。 床にはカーペットが敷き詰められているとはいえ、3度の顔面ダイレクトアタックで鼻血が出ていた。

 その結果、「何で直立してるだけなのに躓けるんだろう」という類いの疑問が挑発の効果を全て消し去っていた。

Face_so

【奏】

えへへ、どうだったかな譜已ちゃん、上手くできたかなー……!

Face_fui

【譜已】

えっと、取りあえず、顔冷やそ……?(←鼻血拭いてあげながら)

Face_nagi

【凪】

顔というより頭を冷やした方がいいんじゃないの

Face_so

【奏】

貴方には訊いてません~~!!! そしてパイセン、GO!!

Face_nagi

【凪】

もう出番が回ってきたの

 出番待ちの間、凪は読書していた。

Face_nagi

【凪】

コレは『俺の幼馴染みが玉結びナウ』ってラノベね。最近未だ流行ってるわね、こんな雰囲気の題名。普段は気にならないのだけど、コレに限ってはタイトルが癖強すぎて悶々としたから購読したわ

Face_nagi

【凪】

主人公の四ノ宮良太くんは、もつれたコンセントとかイヤホンを解すのが上手なこと以外はごく普通の男子A等部生

Face_nagi

【凪】

そんな彼の隣には、明るく温厚で成績優秀な生徒会長の幼馴染み・盛岡ゴルデネマーチさんがいつも肩を寄せる

Face_nagi

【凪】

けど、彼女には一つの問題があった。少なくとも私はそう解釈するわ。それは、ほつれた糸に限らず、どんなに極太なものでも柔らかかったら何でもしてしまうこと

Face_nagi

【凪】

どの程度本人が認識しているのかはまだ曖昧だけれど、「ついつい」結んでしまうのだと。その悪癖を、隣の四ノ宮くんがさりげなく解いてカバーする……という日常が延々と続いてるわ

Face_nagi

【凪】

それと、ゴルデネマーチさんのお家は相当格式高いらしくて、家もそれを意識してる。それもあって随分と上等な和的ファッションを日常で強制されてるみたい。コレも後々大きな話になるのでしょうね

Face_nagi

【凪】

この辺りは私の勝手な憶測だけれど、真面目な優等生の姿も、いわば格式を象徴しているのかもしれないわ

Face_nagi

【凪】

そしてついつい周りを玉結びしてしまう悪癖は、不満の発散方法として機能しているとも考えられる

Face_nagi

【凪】

そこまでいくと、題名の玉結びが掛詞のように機能している、とまで論じることもできそうね。ただ、この作品発売から一週間で絶版されてるのよね。続きが見れないかもしれなくて軽くショック

Face_nagi

【凪】

……ま、一週間後にはそんな感情も忘れてるでしょうけど

Face_nagi

【凪】

そんなところでいいかしら

Face_hage

【謙一】

本の紹介してどうすんだよ

Face_shiho

【志穂】

ていうか幼馴染みの名前が格式ぶっ壊してる気がするのは私だけか

Face_so

【奏】

何でパパママ、ゴルデネマーチなんて名前にしたんだろうね

Face_fui

【譜已】

えっと……誕生日が3月、だったから?

Face_mikan

【美甘】

ゴルデネってそもそも何だ……?

Face_fui

【譜已】

多分、「黄金ゴールド」関係かと……

Face_mikan

【美甘】

ああなるほど……じゃあゴルデネは格式高い感じなんだな……

Face_so

【奏】

ゴルデネディセンバー!! コレカッコいいでしょ!

Face_fui

【譜已】

……二邑牙ゴルデネディセンバー?

Face_saya

【沙綾】

私がいじめっ子だったら絶対いじめるわねそんな名前の子いたら

Face_mikan

【美甘】

ゴルデネマッスル……うーん、微妙……

Face_nono

【乃乃】

ゴルデネエネマ

Face_joe

【情】

テメエはいい加減ケツから離れろ

Face_nono

【乃乃】

私に死ねと申すのですかゴルデネエンペロール

Face_joe

【情】

……称号として悪くはねえな。今後そう呼ぶことを許してやる

Face_saya

【沙綾】

確かに近くに金髪ちゃんが居るものねー案外似合ってる。私はゴルデネかーくんでいこうかしら

Face_fui

【譜已】

そ、それだと伊吹くんと混同しちゃいそうじゃ……?

Face_saya

【沙綾】

かーくんはかーくんよ? しっかり区別できるじゃないゴルデネグリーンジュニア

Face_fui

【譜已】

……………………(←落ち込んだ)

Face_saya

【沙綾】

あー、気に召さなかった……? ごめんごめん、譜已は譜已でいいのよね!

Face_saya

【沙綾】

うーん、譜已のあやし方とかまだ慣れてないのよ、ちょっとお願い漆黒ゴルデネ高嶺花さん

Face_nagi

【凪】

黒いのか黄色いのかどっちかにしなさいよ

Face_hage

【謙一】

すーーはーーすーーはーー(←精神安定実施中)

Face_shiho

【志穂】

おーいゴルデネハゲマネージメントがセージとローズマリーに顔突っ込み始めたぞー、控えろ控えろ

Face_nagi

【凪】

兎に角、やることはやったわ。次は貴方でしょ

Face_joe

【情】

早くやれゴルデネ貧乳マフラー

Face_shiho

【志穂】

お前後で覚えてろよ画鋲15個ぐらい飲ますからなゴラ

Face_shiho

【志穂】

おらー、寝てる奴いねーだろうーな。折角この秋山志穂が自己紹介するんだからなー

Face_shiho

【志穂】

いや、そもそも自己紹介の時間に寝る奴とかサイテーだからな。完璧それコミュニケーション拒否って伝わるからな

Face_shiho

【志穂】

それは人として失格レベルで失礼――ごがあぁあああああ!!!

Face_mikan

【美甘】

お前が寝てどうすんだよ!!

Face_mikan

【美甘】

ほら、起きろー!(←肩を揺さぶる)

Face_shiho

【志穂】

んん…何だよ美甘、昨日の疲れが残ってるんだ私ぁー……

Face_mikan

【美甘】

自己紹介の時間に寝る奴人として最低って云ったよな!? 誰でもなく志穂がたった今云ったよな!?

Face_so

【奏】

今となっては完全にフリだったよねー……自分で振っといてソレ自分で使うとか流石ゴルデネマフラー

Face_shiho

【志穂】

美甘代わりに……お願――ごがあぁあああああ(←アルティメット爆睡)

Face_nono

【乃乃】

むむ……コレは噂に聞くアルティメット爆睡……この領域に至ると浣腸しても起きないと云われています

Face_joe

【情】

仕方ねえ、お前やれ美甘

Face_mikan

【美甘】

……え!?

Face_nagi

【凪】

最後の力を振り絞って貴方に託したのだから、それ通りに貴方が遂行するのが正しい流れでしょう

Face_nagi

【凪】

貴方、志穂の親友枠みたいな感じだし

Face_mikan

【美甘】

いや会話したの昨日が初めて!!

 しかし特変式な流れの暴力で、本当に美甘が志穂の紹介をすることになった。

Face_mikan

【美甘】

えっと……秋山志穂、です

Face_mikan

【美甘】

志穂は、真理学園新規組だって云ってた。確かに今まで見ないマフラーだなって思ってけど

Face_mikan

【美甘】

でも、それに関わらずいきなり志穂は特変で……すっごく変な女子だ

Face_mikan

【美甘】

いっつもこんな感じで日中爆睡してるし、喋り方も眠そうな時が割と頻繁だし

Face_mikan

【美甘】

でも……凄く強い。ウチじゃ歯が立たなくて、まるで忍者みたいだった。カッコいいなって思ったりもした

Face_mikan

【美甘】

黒髪も綺麗だな、入浴の時もモデルみたいなスタイルしてるなって思ったし。そもそも志穂って美人だな……

Face_mikan

【美甘】

同じ女子なんだよなって、疑問に思わされたりもするなぁ……背中とかほんと綺麗――

Face_hage

【謙一】

いい! もういい! 美甘ありがとうもういいや!!

 爆睡してる間に素直過ぎる他己紹介でどんどん身体的情報が暴露されていく志穂。

 落ち着こうと頑張ってた謙一が現実にリターンしてきた。

Face_mikan

【美甘】

え……? こ、こんな感じで大丈夫なのか……?

Face_unknown

【一部の男子】

「「「(――チッ……!!)」」」

Face_mikan

【美甘】

どう、だったかな。ウチ、志穂の良いところちゃんと伝えられたのかな……

Face_hage

【謙一】

う、う~ん……

 美甘さん思った以上に周りのこと見てたんだなってところはよく分かった。暫くこのギャップで遊べそうだわ、いや俺が手を出すまでもなく他の変態クラスメイツが遊びそうだわ!

 はぁ……さて、と。

Face_hage

【謙一】

大いに、大いに!! 盛り上がった自己紹介タイムも大詰め! トリを務めるつもりは本来無かったんだが――

Face_hage

【謙一】

この新加入メンバーである俺井澤謙一が最後だ!

 本当に自己紹介だけで十数分あったクラスメイト発表の時間すべてを費やした謙一はこの時8割以上はヤケクソの心境で喋っていた。

 因みに井澤謙一に対する学生らの印象は、謙一の意図を超えて変わりつつあった。

Face_unknown

【生徒】

(アイツも、秋山と同じく新規組……C等部時代からずっと真理学園の俺が知らないんだ、間違いない……)

Face_unknown

【生徒】

(なのに、あの衒火情も、烏丸凪も……)

Face_unknown

【生徒】

(佐伯乃乃に遠嶋沙綾……そんでもって堀田美甘まで、自己紹介を……)

Face_unknown

【生徒】

(しかも堀田に至ってはすんごい雰囲気変わってるし! 普通に可愛いし!)

Face_unknown

【生徒】

(……それを、全部、アイツが成し遂げたってのか――?)

Face_unknown

【生徒】

「「「(井澤謙一――)」」」

Face_hage

【謙一】

…………

 ……何だろうな。 さっきから俺に対する視線が、何か、怖い気がするんだよな。変だな、式の時よりも見られてるって感じがする……

 まぁいいや……どんな印象抱かれてようが、結局俺のやることは変わらないんだ。

Face_hage

【謙一】

今の俺らの自己紹介聴いたらイメージできるかもしれないけど……俺らの教室って大体こんなカオスなことになってるんだよなホント、6F来なくて正解だぜホント

Face_hage

【謙一】

皆やりたいようにやるから、軌道修正とか大変なんだよ。美甘に期待を眼差し向けてみたりもするけど、基本的にツッコミ俺しか担当できねえんだよ

Face_hage

【謙一】

んで、管理職としてどうやってコイツらコントロールしてやろうか、とか4月ずっと思ってたんだけどさ……それはもうやめた。俺、管理職とか向いてないし

Face_hage

【謙一】

俺はごく普通……ではないんだろうけど、何か特出した特徴とか多分そんなに無い男子だよ

Face_hage

【謙一】

趣味あんまり無いしさ。クオニアンぐらいかな、誇れることなんて。勉強はできる方だと自負してるけど、俺的にはもっと教える力がほしい

Face_hage

【謙一】

何よりまず、言葉をしっかり使い分ける力がほしい

Face_hage

【謙一】

はっきり言葉を使い分けられるなら、それに伴う決断意思を持ちたい――でも現実は乱暴に言葉を使っちゃうし、優柔不断。嘘つくの最高に苦手で最高に不器用。だからそんな俺が、コイツらを絶妙に従えるとか絶対無理な話なんだよ現実的に。方法も思いつかないし

Face_hage

【謙一】

だからやめた。やめて……ぶつかり合うことにした

Face_hage

【謙一】

俺もどうせ、特変だし。俺もこの変態どもと一緒に好き勝手やってやる、そう決めてな。この合宿挑んだ。その結果がコレだ……案の定もっとカオスになったと思うし、暫く胃薬とアロマセラピーは手放せん

Face_hage

【謙一】

でも、ちょっとだけ道は見えた気がするんだよ。真っ暗闇だから全く安心できないけどな

Face_hage

【謙一】

つまりだ。お前らにとって大切なのは――

Face_hage

【謙一】

俺がお前らを配慮する余裕は無いってことだろうな

Face_unknown

【生徒】

「「「――!!!」」」

Face_hage

【謙一】

俺は……

Face_hage

【謙一】

……特変でいる意義を、どこかで見てしまったかもしれない

Face_hage

【謙一】

元々このつもりだったけどさ、俺、特変を撤廃するつもりはない

Face_akitsu

【秋都】

! 謙一、くん……

 ……あの時から。

 変わらない目だ。

 ブレない姿……やっぱり、そうだ。私は結局、見間違ってなんかなく……。

 変わらず……謙一くんは――

Face_rinka

【隣花】

……決めちまった、か

 となれば、止まらない。 最も敵に回しちゃいけない強い奴が、明白に敵と自白した瞬間。

 ……コレ、母さんに何て報告すりゃいいんだよ……ほんといっつも、お前は、あたしのことを考えないな――

Face_hage

【謙一】

別にすすんでお前らに悪行嫌がらせなどなどを働くつもりはない

Face_hage

【謙一】

だが特変制度っていう土台を色々弄って、壊したくもない。学園長が長年かけて用意してきた舞台……踊ってやろうとは断じて思わない……だが

Face_hage

【謙一】

突き進んでみたいとも思った。見えた気がした道を――

 コレは間違いなく普通の道じゃない。

 けど、そんなのは入る前から。いや――何年も前から分かってたことだ。俺はこの道を行かなきゃ、満足できない。後悔するんだと。

 俺は……解答を探し続けるんだと。

Face_hage

【謙一】

――この道を、“糞”が補強してくれるっていうなら、なってもらいたいね。新規組で生意気申し訳ないんだが

Face_hage

【謙一】

特変に協力してもらおうか、金魚の糞がくゆうたちよ

Face_mikan

【美甘】

お前も何だかんだですっげえ煽ってる気がするんだ

 その通りで、謙一のアドリブはなかなかに学生たちを苛つかせていた。

 何か良いことを抱いてるのだろうが、それよりも自分たちにこれから降りかかるであろう悪政の数々を想像したら、看過はあり得なかった。

 その変化は謙一も理解していた。

Face_hage

【謙一】

だからきっと、その為の「特変破り」なんだろうよ

Face_unknown

【生徒】

「「「……!!」」」

Face_hage

【謙一】

俺がお前らの立場だったら、そりゃ思うぜ。これでもちゃんと市民教育受けて優等生扱いされてたんだ、その感覚でいえば――

Face_hage

【謙一】

「こんな理不尽許せるか」ってな。そして救済の制度が、正当なものとして準備されてる

Face_unknown

【生徒】

特変破り……

Face_hage

【謙一】

学園長云ってたぜ、価値ある者には価値を……自由主義を掲げてるってな

Face_hage

【謙一】

だから学園長は裏切らない。勝ったお前らを裏切らない。もし裏切るようなら――

Face_hage

【謙一】

この俺が特変最後の権力を使って銘乃政権を破壊する

Face_midori

【翠】

……え?

Face_keiji

【啓史】

おお

Face_unknown

【生徒】

「「「!!!!」」」

Face_hage

【謙一】

ま、銘乃政権側の俺が何云っても説得力無いとは思うけどさ。キチンと言葉で、約束する

Face_hage

【謙一】

お前らが特変破りで勝ったら、ルール通りに願いHopeの実現に全力を尽くす。特変の解体も、銘乃政権解体も、その他諸々……できないことはあるだろうけど、できることは必ず実現させる

Face_hage

【謙一】

だから、俺らに勝ってみろよ

 「負けないから」。

 一切迷いの無い言葉。決意と覚悟。

 音響機器を介していたとしても、その音に含まれた質量は聴く者全員を強引に黙らせる力を秘めていた。

 そして、頭に中心となる単語が残響するのである。

 「特変破り」――

Face_unknown

【生徒】

(特変破り……)

Face_unknown

【生徒】

(そうだ、特変破り……)

Face_unknown

【生徒】

(特変、破り――!)

Face_hage

【謙一】

……云うべきことは以上かな。ちょっと喋りすぎた気もするけど……

Face_mikan

【美甘】

喋りすぎ!

Face_fui

【譜已】

その、凄く、喋ってたと思います……

Face_nagi

【凪】

長い。長い上に胡散臭い

Face_saya

【沙綾】

リーダー、カラオケ連続で曲入れちゃうタイプでしょ?

Face_hage

【謙一】

カラオケ行ったことないから分からんけど自覚はしてるんだよホントに。不器用なんだ、許してくれ

Face_hage

【謙一】

俺は、そういう“特変”なんだ

Face_joe

【情】

おい終わったならマイク切れ

Face_hage

【謙一】

おっとサンクス。んじゃー、えっと……あーじゃしたー

 締まらない締めだった。

 しかし意図した通りかは兎も角、発表のクオリティとかは視聴者たちはどうでもよくなっていた。

 内から湧き上がる圧倒的な感情――

 ――解放欲。

Face_mera

【目羅】

フフッ……

 あそこまで云ってくれるなら……

 頼もしい。ならば恐れず、立ち向かわないと。

 私を支配する価値観から、私を解放するのは、私自身だ。

 破壊するんだ……

Face_mera

【目羅】

私自身を――

Face_akitsu

【秋都】

え……?

Face_mera

【目羅】

何でもないよ徳川くん。そんなことよりも――

Face_mera

【目羅】

諸君、ちょっと耳を貸してくれるかな

Face_yukina

【雪南】

目羅ちゃんが何かを企んでいるようだ

Face_yukina

【雪南】

しかも、俺たち特Bを皆巻き込んで……このタイミングで招集をかけるって

Face_akitsu

【秋都】

……え、ま、まさか――

Face_mera

【目羅】

何を驚いているんだ、徳川くん。私たちは本来――

Face_mera

【目羅】

そういう・・・・クラス、だろう?